01 在宅避難の前提―マンション防災


 

01 在宅避難の前提―マンション防災 

結論:マンション防災は「避難所へ」より、まず“自宅で生活を続ける設計”が要。

集合住宅の居住者は、地震後も自宅に留まって生活を続ける(いわゆる在宅避難)ことが前提になりやすい。理由はシンプルで、公的な避難所の収容力には限界があり、被害が大きくなりやすい戸建て住宅の被災者が優先される現実があるから。だからマンション防災は「設備(ハード)+運用(ソフト)+共助」で“生活継続力”を上げるのが正攻法になる。建物が倒れないことと、生活が回ることは別問題で、地震後に止まるのは「水・電気・移動・情報」といった日常インフラだ。まずは「家に残る人が出る」前提で、誰が何を判断し、どう周知するかまで決めておく。


なぜ重要?

マンションは停電・断水・エレベーター停止が同時に起きやすく、生活の質が一気に落ちる。さらに排水不全や情報不全(連絡が取れない、掲示がない)も重なると、同じ建物に住んでいても“困り方”が世帯ごとにバラバラになる。救急や消防の到着が遅れる想定では、住民が最初の数時間〜数日を回す必要がある。国も在宅避難者への支援を重要テーマとして整理しており、自治体・地域・住民側の準備が欠かせない。


チェック3つ

① 家族/世帯の「72時間の生活」を想定(特にトイレ・水・情報)。飲料水だけでなく、生活用水・携帯トイレ・充電手段まで“使える形”で揃える。

② 管理組合は“ルール”を決めて掲示(排水確認まで流さない、EVは点検まで使わない、物資配布の順番など)。ルールは文章で残し、誰が貼るかも決める。

③ 近隣と顔がわかる状態を作る(安否確認の速度が変わる)。とくに要配慮者がいる住戸は、声かけの手順だけでも共有しておくと初動が早い。


よくある誤解

「耐震だから大丈夫」→安全=生活継続ではない。耐震でも、停電・断水・EV停止で生活は止まる。だから“在宅避難ができる条件”を平時に整えるのが、マンション防災の最短ルート。


出典

在宅避難前提と生活継続力: https://www.mlit.go.jp/common/001351087.pdf

在宅避難者支援の考え方: https://www.bousai.go.jp/taisaku/shien/pdf/tebiki.pdf

マンション地震対策(東京消防庁): https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/content/000039729.pdf


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